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経済

トヨタのHV技術に「限界」露わ

自前技術での「燃費向上」は無理

2014年1月号

 トヨタ自動車が二〇一三年十二月に一部改良(マイナーチェンジ)した売れ筋車種の小型ハイブリッド車(HV)「アクア」が、業界で失笑を買っている。マイナーチェンジの最大の目玉は、ホンダの「フィットハイブリッド」から燃費ナンバーワンの座を奪還したことにある。だが、その裏ではHV販売を左右する熾烈な燃費競争の中で、トヨタがなりふり構わぬ「弥縫策」を講じている窮状が露わなのだ。図らずも新生アクアが浮き彫りにしたのは、燃費向上というコア技術が壁に直面しているという厳然たる事実、いわばトヨタHVの「限界」にほかならない。 涙ぐましい努力の積み重ね 「燃費が向上したとはいえ、ここまで安っぽい車とは思わなかった。ホンダのフィットハイブリッドもそれほどいい車だとは思わないが、アクアに比べればはるかにマシだ」と、社用車にHVを導入する関東地区の企業経営者はあきれかえる。  ホンダが一三年九月に全面改良(フルモデルチェンジ)したフィットハイブリッドは、ガソリン一リットル当たり三十六・四・(JC08モード燃費、以下同)を達成、燃費性能でアクアを追い抜き、業界トップに躍・・・