日本で日本車が 売れない理由
隠せぬ輸入車との「実力差」
2014年1月号
「日本カー・オブ・ザ・イヤーの三十四年の歴史の中で初めて輸入車が賞をとれた。ひとえに長いことフォルクスワーゲンやゴルフのファンであったユーザーの皆様のおかげです」。フォルクスワーゲン(VW)グループジャパンの庄司茂社長は二〇一三年十一月、東京モーターショーの一般公開に合わせて行われた一三-一四年同賞授賞式でこう述べた。六百点中五百四点という圧倒的高得点で輸入車として初となる栄冠を手にした。
「外車は日本での使用環境や道路事情を考慮していない」「日本の顧客を理解しているのは我々しかいない」―。こうタカをくくってきた国内メーカー。彼らの前に、「技術」「ブランド」という実力を備えた「輸入車」が立ちはだかり、「日本で日本車が売れない時代」が到来しようとしている。
一三年は国内市場全体がマイナスに沈む中で、輸入車(外国メーカー車)は一三年一~十一月累計で、前年同期比一六・三%増の成長をみせた。同期間の各社販売状況(トラックを除く)は、台数順にVWが一七・七%増、メルセデス・ベンツが三一・六%増、BMWが一三・五%増、アウディが一五・四%増、ボルボが二五・四%増、BMWミニが四・・・・