「緩和縮小」決定で 日本を襲う投機筋
強気相場論に浴びせる「冷や水」
2014年1月号
「何しろあの弱気で知られるマーク・ファーバー博士でさえ、『ニューヨーク株はこれから二〇%は上がる』と予測したくらい市場は強気だからね」
十二月十八日、米連邦準備制度理事会(FRB)のベン・バーナンキ議長によって、進行中の量的金融緩和政策「QE・」の縮小が発表されたことを受け、NY市場が再び最高値を更新した米国市場の高揚感を、旧知のヘッジファンド運用担当者はこう伝えてくれた。
緩和縮小の規模が想定より少なかったことや米国経済の堅調さもあり、新高値更新が続くNY株式市場は依然、強気な相場観が支配的だ。何か腕を見せたい運用担当者にとっては、現実には米国市場に取り立てて「材料」は何もない状況だ。そうした中、「NYではなく円安相場で勢いづく東京市場に、短期で大幅な株価下落を仕掛けて“売り”で利益を上げてみせないと、プロとしての能力を問われる」という不穏な発言も一部の投機筋にあるのは見逃せない。
過去十年で最高の円売りが進行中
「日本株の売り仕掛けならもう“実績”がある」とうそぶく某大手ヘッジファンドマネジャーは二〇一三年五月二十三日の急落を例・・・