首相悩ます「お膝元」山口県の政変
安倍政権を揺さぶる次期県知事選
2014年1月号
「一強多弱」の政治状況を作り出し、「盤石」の政権運営を続けている安倍晋三首相の「お膝元」山口県でいま、政変の芽が吹き出そうとしている。発端は、「肺がん説」が取り沙汰されてきた山本繁太郎知事の二度目の入院。十月二十八日からの長期療養はすでに二カ月が経過、当選直後の三十九日の入院と合わせると、三カ月以上にわたる「政治空白」を招いている。
最後の記者会見は九月十日。山口県のホームページ上の写真を見ると、知事の頭には毛が全くないことが分かる。少ないながらも毛が生えていた当選翌月(二〇一二年八月二十二日)の会見写真との違いは歴然。「抗がん剤治療で毛が抜け落ちたのか」「肺がん説は本当に違いない」と囁かれているのは無理もない。近くで知事を見ていた県庁関係者もこう振り返る。
「入院前は見るからに弱ってきたように見え、ふらつきも多くなった。記者会見をしている間に体が傾いていったり、『オスプレイ』と言ったつもりが『ホスプレイ』と聞こえたり、『ぜーぜー』という声が聞こえたりと異変を物語る話には事欠きません。見かけも実際も『死に体状態』です」
就任直後の一回目の入院ではある程度回復して復・・・