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連載

西風 392

橋下の変節と関電の高笑い

2014年1月号

 かつては脱原発の急先鋒だった日本維新の会の橋下徹共同代表は、すっかり様変わりした。折しも、十二月にはトルコ、アラブ首長国連邦(UAE)との原子力協定を巡って維新の会が割れた結果、国会での承認が見送られた。関西電力美浜原発再稼働のカギを握る原子力規制委員会による活断層調査も同時期に行われている。
「即ゼロは無理。即ゼロではなく政治家が方向性を示し工程表を作ることが重要」

 十一月に橋下氏が、原発問題について久々にこう語った。小泉純一郎元首相が日本記者クラブで「原発は即ゼロがいい」と発言したことについて記者から問われたのだ。そこには、二〇一二年に関電大飯原発再稼働に強硬に反対していた姿はなかった。

 この回答は、無責任な脱原発論とは異なる至極まっとうなものだ。派手に花火を打ち上げるだけのポピュリズム政治から脱却しつつあるのかと思いきや、そうではないと維新府議の一人は語る。
「橋下さんは原発に興味を失っただけ。維新の会への逆風が大阪でも吹いている今、脱原発で支持が取れないことを見抜いている」

 もちろん原・・・