安倍政権の「陰り」随所に
「支持率下落」以上の不信が蔓延
2014年1月号
「内閣支持率の低下傾向が続けば危うい。四〇%が分水嶺ではないか」
自民党幹事長石破茂が内輪の会合で漏らした発言が波紋を広げている。特定秘密保護法案の審議をめぐる強引な国会運営で、「高位安定」を維持してきた内閣支持率が年末に急落した。六〇%前後の支持率がおしなべて一〇ポイント前後の下げを記録。中には四〇%台の調査結果もある。「政高党低」という権力構図の中で沈黙を強いられている石破の発言だけに、その冷ややかな言い回しは「反安倍宣言」の気配を漂わせる。安倍に近い新党改革代表の荒井広幸ですら「安倍さんの背中を押していた追い風が向かい風に変わる節目になるかもしれない」と語った。
保守系議員の不満は鬱積
しかし、首相安倍晋三がこうした政権を取り巻く空気の変化をどこまで認識していたのかは疑問だ。臨時国会の会期末が迫った十二月四日夜、東京でも一、二を争うステーキの名店、銀座の「かわむら」に安倍を中心に副総理兼財務相麻生太郎、官房長官菅義偉、そして自民党選挙対策委員長の河村建夫らが集結した。ちょうど時を同じくして多数の市民がプラカードを掲げながら、「特定秘密保・・・