極めつきのオバマ「死に体」政権
早くも秋の中間選挙に「黄信号」
2014年1月号
バラク・オバマ大統領が就任六年目で最大の危機を迎えた。看板の医療保険制度改革から中東、アジア外交まで、何一つ成果が上がらない。「この先は越えてはいけない線(レッドライン)」と強い言葉を連発しながら、ずるずると迷走する事態に、米国民の間でも「人格に問題がある」との疑念が強まっている。行き当たりばったりの「レッドライン政治」は、今年十一月の中間選挙でも厳しい結果を突きつけられるだろう。
ホワイトハウスは昨年、オバマ時代では例外的に静かな年の瀬を送った。「財政の崖」のような派手な攻防がなく、パーティーも減り、地方遊説もほとんどなかった。
「実は、遊説するテーマがない。コネティカット州の小学校銃乱射事件後は、大統領は『銃規制』を各地で訴えたが、一周忌には現地入りしなかった。規制に失敗したのだから、仕方ない」と、在ワシントン政治記者が言う。
昨年一月の二期目の就任式では、銃規制のほか移民制度改革、格差是正、環境と盛りだくさんの公約を、華麗な弁舌でうたいあげた。それぞれが「これ以上放置できない」と、レッドラインを引いた。
一年を経て、近い将来に実現しそうな課題は・・・