私欲渦巻く 東北「医学部新設」
抵抗勢力の妨害で実現は「微妙」
2013年12月号
「今の動きを現時点でストップできる力はない」
厚生労働省幹部の一人は力なく漏らした。新規医学部設置がにわかに動き出した。新設が内定している宮城県では反対派が陰に陽に見苦しい抵抗を重ね、厚労省は阻止する機会を虎視眈々と狙っている。
九月下旬、東北のブロック紙「河北新報」は、安倍内閣が検討中の国家戦略特区で医学部の設置を新たに二校認める見通しであることを大きく報じた。
「特区でやられたら治外法権。しかも現在の厚労省では官邸に直接刃向かえない」
前出厚労省幹部はこう語る。長年の年金批判などで疲弊した厚労省に旧内務省系の威光は残っていない。
最大の反対派は東北大
設置される医学部のうち一校は東北、それも宮城県に設置することが決定済みだ。東北の中心県でありながら、県内の医学部は東北大学にしかない。以前から県や地元財界などから設置要望はあったが叶わなかった。
「最大の反対派は東北大学。唯一の医学部であることをいいことに地元医療界を牛耳ってきた」
地元紙記者はこう語る。国立大学最大の一千三百床を有する病院を中心として、県内は・・・