《罪深きはこの官僚》菅原 郁郎(経済産業政策局長)
デタラメ「成長戦略」を描く首謀者
2013年12月号
「経産省政権」との異名をとる安倍晋三政権の中でも、一躍スターダムにのし上がった高級官僚と言えば、経済産業省の菅原郁郎経済産業政策局長をおいて他にはいないだろう。アベノミクス三本目の矢である「日本再興戦略」(成長戦略)の策定を主導し、秋の消費増税論議では、法人税減税を目指す経産省内ですら「筋が悪く実現は難しい」と見られていた復興特別法人税の終了前倒しを勝ち取った。飛ぶ鳥を落とす勢いの菅原が経産省の「省益拡大」という実績を手に、事務次官に上り詰める日もそう遠くないとされる。
菅原がこの短期間で築き上げた「実績」は少なくない。日本再興戦略は実効性が乏しく、民主党政権下の成長戦略と似たり寄ったりである点に批判が集中したが、実は経産省の予算拡大と権限肥大化という観点から見れば民主党政権時代とは百八十度転換した出来栄えになっている。
リーマンショックで落ち込んだ国内の設備投資を回復するとの輝かしい目標の裏では、経産省がリース会社を支援する予算枠をしっかり確保した。新たに導入する企業特区制度も企業から規制緩和の申請を受け付ける役所の権限を強・・・