「ケネディ」でも埋まらぬ日米の溝
根太から「朽ち始めた」同盟関係
2013年12月号
東京で安倍晋三首相とキャロライン・ケネディ新駐日大使が昼食を共にした十一月二十日、米ワシントンのジョージタウン大学では、国家安全保障担当のスーザン・ライス米大統領補佐官が講演で、二〇一四年四月のバラク・オバマ大統領のアジア歴訪を発表していた。
具体的な訪問国は示していないのに、「オバマ訪日へ」と浮かれる日本メディアに、米政府筋は「十月のアジア太平洋経済協力会議(APEC)をキャンセルして行けなかったマレーシアとフィリピンは行く。日本は未定だ。インドネシアとブルネイを優先するかもしれない」と冷ややかな視線を向けた。訪問候補国として、同盟国の日本と韓国はセットだ。冷え切った両国関係の板挟みになるぐらいなら、日韓ともパスすればいいという意見が、オバマ政権内には強いという。十二月のジョセフ・バイデン副大統領の日中韓訪問も、オバマの露払いではなく、いがみ合う三カ国に大統領が赴かずに済ませるための布石とも言われる。熱狂的なケネディ報道とは裏腹に、日米の距離は広がっている。
「日本重視」は後付けの理屈
そもそも、ケネディ起用自体が、歴代米政権の手・・・