イランは必ず「核」を持つ
「交渉合意」が中東騒乱を招く
2013年12月号
一九七九年のイスラム革命から今年で三十四年。「悪の枢軸」の横綱の如く疎んぜられ、欧米の厳しい経済封鎖に耐えてきたイラン。
十一月二十四日早暁、この神権政治国家の未来に突然の光明が射した。核開発を巡る国連安保理常任理事国+ドイツとのジュネーブ交渉が妥結し、イランは六カ月間の監視を受けつつも、国際的孤立脱却の第一歩を踏み出したのだ。
それは、誰もが目を疑う光景だった。イランのザリフ外相が、欧米各国の外相とにこやかに談笑している。「大悪魔」米国のケリー国務長官や、厳しい制裁を科して譲らなかったEUのアシュトン代表も小気味よく笑顔で応対しているではないか。
イランは必ず「核」を持つ、絶対に信用できない……欧米はこれまで、そう思って対応してきた筈だ。「李下に冠を正さず」と言うが、イランの言う核の平和利用など、李泥棒の常習犯が畑に入り、「頭には手をやるが、絶対盗らないから」と言うのに等しいと世界の誰もがそう考えていた。それが、急に一体どうした風の吹き回しなのであろうか。
核開発戦略の基本に変更なし
中東諸国に・・・