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ロシアを食い潰す「軍需産業」

プーチン一派が巣食う汚職の温床

2013年12月号


 ロシアのプーチン大統領が、ソ連崩壊以後最大の軍備拡大計画を打ち出した。二〇二〇年までに約七十兆円を投資して、軍装備の七〇%を近代化するという野心的なものだが、ロシアの兵器産業は最も改革が遅れ、腐敗も根深い。石油価格の低迷でロシアの資金繰りが苦しくなる中、プーチン政権は、軍事費に押しつぶされたソ連時代の轍を踏む危険に直面している。



愛人を国防省の幹部ポストに

 世界の目がイランと米欧中露六カ国の核協議に集まっていた十一月中旬。エジプトの首都カイロを、セルゲイ・ラブロフ外相、セルゲイ・ショイグ国防相が訪れた。日本とロシアの初の「2+2」(外務・国防相会談)からほぼ十日後のことだ。

「私たちは、ロシアとの関係を、(友好協力関係にあった)ソ連時代の水準に戻したい」と、エジプトのナビル・ファハミ外相は上機嫌で語った。彼の父親は、サダト大統領時代の外相。十日前にジョン・ケリー米国務長官を迎えて、「民主主義」についてあれこれ説教されただけに、北方の軍事大国からの賓客は大歓迎だった。{・・・