欧州で「デフレ」が始まる
「ユーロの悲劇」に凍える世界経済
2013年12月号
経済危機が続くヨーロッパがデフレーションに突入し、日本の「失われた二十年」の道をまっしぐらにたどっている。
ギリシャの債務危機を発端にした「ユーロ危機」は、各国のバブル崩壊を経て、ついに経済縮小に向かい始めた。ユーロ圏の消費縮小で、日米中からの輸入激減が生じており、世界経済回復を阻害する要因になっている。
ヨーロッパの政治は、独り勝ちのドイツと窮乏する南欧諸国との対立に加えて、各国政府がビジョンもないまま立ち往生する状態で、危機打開やデフレ回避の処方箋は見いだせない。ユーロバブルの崩壊は、政治と経済にまたがるマヒ状態を経て、「ユーロの悲劇」に向かっている。
「日本の二の舞い」がいよいよ本物に
何事も不景気なスペインで、盛況のビジネスがある。大規模リゾートのたたき売りだ。
「スペインの別荘開発はトラブルが多かったが、今はバーゲン価格で良質な物件がある。大手の開発は特に狙い目です」と、英国人不動産業者。
ムルシア地方のリゾートにあ・・・