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経済

JXの韓国事業が「反日」で窮地

事業売却の憂き目に遭う公算大

2013年12月号

 JXホールディングスの中核企業で、主力の石油精製・販売事業を担う「JX日鉱日石エネルギー」の韓国事業にいま、降って湧いた「反日」運動の余波に加え、思わぬ「障害」が立ちはだかり、身動きできない状態が続いている。最悪の場合、韓国事業の売却すら想定されているというから、看過できない事態と言ってよい。JXを悩ませるその障害とは、ある法律の存在と、韓国お決まりの反日だ。 暗礁に乗り上げた「秘策」  JX日鉱日石エネルギーの韓国事業とは、二〇一一年八月に韓国石油最大手「SKイノベーション」との間で合意した、石化製品と潤滑油原料の合弁生産事業(総投資額は一千八十億円)を指す。事業の舞台となる蔚山は現代自動車や現代重工業などの本拠地であり、韓国最大の石油化学コンビナートが立ち並ぶ有数の企業城下町である。十五万トン級の大型船が入港できる、釜山と並ぶ同国最大級の輸出港でもある。  この石化製品事業の合弁相手は「SK総合化学」であり、JX側五〇%(マイナス一株)、SK総合化学五〇%(プラス一株)の出資形態をとる。JX側の投資額は約四百四十億円。生産品目のパラキシ・・・