トヨタ「燃料電池車発表」の真意
「EV潰し」のための当て馬
2013年12月号
十一月二十日に開幕した東京モーターショーで、トヨタ自動車が「目玉」として燃料電池車(FCV)を大々的にアピールした。早くも二〇一五年の量産化を打ち出し、その実車のモデルとなる「トヨタFCVコンセプト」を公開したとあって、自動車業界の注目を集めている。だが、トヨタの真の狙いはFCVの普及などではない。あくまでも狙いは、次世代環境車で先行する「電気自動車(EV)潰し」にほかならないという。
「EVがダメなのは明らかだ。あれほど話題になったリーフだって鳴かず飛ばず、米テスラモーターズに至っては品質問題が噴き出している。数年のうちにEVは市場から姿を消すだろう。だからこそ、それに代わるFCVが必要なのだ」と、トヨタ関係者は断言する。しかし、その言い分を真に受ける業界関係者はいない。「トヨタが想定しているのはEVがFCVに比べていかに劣るかをアピールし、EVブームを鎮静化させた後、FCVは素晴らしいが普及にはまだまだ時間がかかる。それまではハイブリッド車(HV)で……というシナリオだ」と、ライバルメーカーのエンジニアは言い切る。
焦燥を誘う欧州勢のEV参戦
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