「首位陥落」で衝撃走る三菱UFJ
「殿様商売」の重いツケ
2013年12月号
銀行界に衝撃が走っている。十一月十四日に出揃った三大メガバンクの二〇一三年度上期(四~九月)決算。ここで、ある「逆転劇」が演じられたからだ。銀行の本業での儲けを示す「実質業務純益」で、三菱東京UFJ銀行(BTMU)が四千百七十九億円、前年同期比二六・七%の減益となって首位の座から陥落。代わって同五・七%の増益を記録した三井住友銀行(SMBC)が四千五百三十二億円をたたき出してトップへと躍り出たのである。
初めて―ではない。実は金融界をリーマンショックが襲った〇八年度上期にも同じ現象が起こっている。ともに減益だったとはいえ、SMBCが三千七百八十四億円の実質業務純益を確保したのに対し、BTMUは三千五百九十五億円にとどまり、二百億円近く水を開けられた。以来、BTMUにとっては「五年ぶりに味わう屈辱」(三菱UFJフィナンシャル・グループ=MUFG幹部)ということになる。
「実力」でSMBCに逆転許す
だが、今回の逆転劇は〇八年当時とは「その中身において決定的な違いがある」とみずほ銀行幹部の一人は指摘する。〇八年のそれがBTMU側の「失策」ともい・・・