「イエレン・バブル」に沸くNY市場
緩和「長期化」で投機筋が強気に
2013年12月号
「あのジョージ・ソロスが売り(プット)オプションを手仕舞いしたらしい。それはたしかに、ひと頃言われた“急落のリスク”はまだあるけれども、とりあえずリスク・オン、つまり強気の戦略に切り替えたということさ」
ある有力ヘッジファンドのグローバル運用担当者は、株式市場における潮目の変化を筆者にこう語った。実際、十一月中旬以降、世界の株式市場の動きがにわかに活発化した。NY株式市場における株価指標「S&P500」に続いてダウ平均、ドイツのDAXが次々と新高値を更新した。日本も何度も挑戦しては撥ね返されてきた日経平均一万五千円を突破、円の対ドルレートも百円を上回った。
「まず、中東の地政学的リスクが低下したこと。それに中国経済が難局を切り抜けられる見通しがつきつつあること。これらがリスク・オンに踏み切る材料だよ」
この運用担当者は、中国・香港の株価上昇に加え、「エジプトEGX」「イスラエル・TA?25」の史上最高値まで並べ立てた。
もっとも、ヘッジファンド筋がリスク・オンに踏み切る「主因」となったのは米連邦準備制度理事会(FRB)のジャネット・イエレン次期議長の金・・・