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WORLD

中東で凱歌あげるロシア

「反米枢軸」の復活が招く混沌

2013年11月号

 ある日本人の若手ロシア研究家がフェイスブックを開いたら、「知り合いでは?」とイラン系の美女の写真がたくさん届いた。ロシアや東欧圏ならわかるが、「なぜこの私にイランの美女の紹介が?」と不安顔で相談を受けた。ロシアの中東におけるプレゼンスの高まりがそんなところにも出現するのか、と大笑いした。  今、ロシアが全力を挙げて支援している「抵抗枢軸」(英訳:Axis of resistance)は、イラン、シリア、そしてレバノンのヒズボラを結ぶ反米枢軸である。米国の中東支配、それもイスラエルを先兵とする邪悪な侵略に対抗する、というイデオロギーを看板に神権政治(イラン)と独裁政権(シリア)が結びつき、ヒズボラという国家の中の国家をレバノンに植え付けては、これをけしかけ、欧米権益へのテロ攻撃や、イスラエルとの武装闘争に駆り立ててきた。

米国の退潮を示した現実

 二〇〇二年、ブッシュ前大統領が有名な「悪の枢軸」(イラン、イラク、北朝鮮)という言葉を使ったことに対抗する意味で、この頃から「抵抗枢軸」の名称もよく使われるようになったという説明もあるが、その成立・・・