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「裸の王様」と化す 朴槿恵

内政と経済停滞に打つ手なし

2013年11月号

 韓国の朴槿恵政権は高支持率に支えられているように見える。しかし政権スタートから半年以上が経過したいま、あまりに貧相な内政運営が国民に露呈しつつある。 「朴槿恵は独裁者になっている」  与党セヌリ党の幹部はこう語る。大統領の周囲に信頼できる人材はおらず、青瓦台(大統領官邸)は「朴槿恵王国」の様相を呈している。先日、外部有識者を招いて政策検討のための内部会議が開かれた。スタートは午前十時からだったが官僚らは八時には集合して、大統領が現れるまでに発言内容を確認する入念なリハーサルを行った。実際に十時から会議がスタートすると、大統領が発言する度に、居並ぶ官僚たちが姿勢を正して一斉に拍手した。まるで北朝鮮の「将軍様」のようだが、これが現実に行われているのだから笑えない。 人事の混乱が続く 「当選後はまったく干されている」  昨年の大統領選の際に、朴大統領の対外政策立案に携わった学者はこう苦笑いする。六月末からの訪中を控えた時期に、首席秘書官ら青瓦台高官が十人以上の中国専門家から意見聴取を行った。ある大学教授はホテルに呼び出されて四時間以上にわたり・・・