「空回り」する公明・山口那津男
安倍の「ブレーキ役」には程遠く
2013年11月号
『西遊記』のよく知られたエピソードに、孫悟空が威張っていくら飛び回っても、結局、釈迦の手のひらからは一歩も出られなかったというものがある。これとどこか似ているのが、公明党の山口那津男代表が安倍政権下で見せる「空回り」ぶりである。
山口氏が存在感を示そうと力めば力むほど、かえって公明党が自民党と安倍晋三首相の手の上にあり、独り相撲をとっている実態を有権者の目にさらす結果となっているからだ。
「政局対応は全くダメ」
「首相が目指す集団的自衛権の行使の問題は、いずれうち(公明党)も認めざるをえない。それなのに山口氏がきつい発言をするから、党内で『ちょっと言い過ぎじゃないか』と心配されている」
公明党幹部の一人はこう明かす。実はすでに集団的自衛権をめぐり、公明党と官邸側とでは水面下で調整が進んでいるのである。
にもかかわらず、「官邸人脈なんてない」(党中堅)とされる山口氏は、こんな突出した発言を続けている。
「連立政権のあり方も含めて議論していく課題だ。短兵急な、乱暴な進め方は受け入れられない」
連立離脱カードという「禁じ手」・・・