みずほの反省なき 「内部抗争」
「暴力団融資問題」後の内幕
2013年11月号
「赤信号みんなで渡れば怖くない」といったところだろう。
グループの信販大手、オリエントコーポレーション(オリコ)を介した暴力団構成員など反社会的勢力への融資に関する責任問題で、みずほ銀行(BK)が十月末、役員三十人超を“断罪”するという大掛かりな社内処分に踏み切った。
だが、一見大ナタが振るわれたかのような処分も、その中身をみれば現経営陣で更迭という「いわば極刑」(事情通)が下されたのは、今年七月のワンバンク化まで旧みずほ銀行の頭取だった塚本隆史会長と「法令順守部門」の直接の担当である小池正兼常務執行役員だけ。その塚本会長も持ち株会社、みずほフィナンシャルグループ(FG)会長には留任し、佐藤康博頭取はじめ大半の役員は役員報酬の返上・減額など「経済制裁」(グループOB首脳)にとどまった。
大掛かりな割に中身の薄い処分となったことで曖昧になったのはほかでもない、責任の所在だ。「常務以上の役員のほぼ全員に少しずつ痛みを負わせることで、第一義的な責任や諸悪の根源がどこにあったのか分からない形にしてしまった」(同)のである。
旧富士銀勢が練った「画策」・・・