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経済

東電がひた隠す 福島第一「地震損傷説」

柏崎刈羽再稼働に重大な「疑義」あり

2013年11月号

「東電在職時代、福島第一原発内の親指ほどの細い計測用配管が『地震に耐えられないのではないか』と社内で問題になったが、その配管が先の地震で破損したのかどうかを東電はいまだ発表していない」  こう告発するのは、津波到達以前に福島第一原子力発電所の配管などが重大な損傷を受けたとする「地震損傷説」を強く唱える元東京電力社員の木村俊雄氏(四十九歳)。一九八三年に入社して退社するまでの十七年間、原子炉の設計・管理などを担当、うち十二年間は福島第一原発の現場にいたプラント技術者だ。  二〇〇〇年に東電を退社した木村氏は、高知県で自ら実践する形で再生可能エネルギー拡大に取り組む一方、3・11以降は、当時の現場経験を活かして事故原因の解明に取り組んできた。津波による全電源喪失が事故原因とする「津波原因説」を取り続ける東電に疑問を呈してきたのだ。  この地震損傷説については、本誌も二〇一一年十二月号でいち早く指摘したが、この疑惑に今回、木村氏が新たな突破口を提示した。 「事故原因解明には、『過渡現象記録装置データ』にある炉心周辺データを調べることが有効だが、二年以上経っても東電は一・・・