「先進技術」に背を向けるトヨタ
自動運転車「違法試走」事件の深層
2013年11月号
トヨタ自動車がとんだ「勇み足」をした。東京で開かれた「第二十回ITS(高度道路交通システム)世界会議東京二〇一三」に合わせて去る十月七日からの三日間、トヨタが行った「自動運転車」の公道デモンストレーションに、国土交通省や警察庁が「完全な道路交通法違反だ」と激怒しているのだ。
さぞや自慢の先端技術を披露したかったのだろうと思いきや、業界には「実はトヨタは自動運転技術で出遅れており、それを隠すために派手なパフォーマンスを仕掛けた」(自動車担当の全国紙記者)との冷ややかな見方がある。「出遅れ技術」で公道を走行するとは危険極まりないが、そこまでトヨタが追い詰められている証拠ともいえる。
それどころか、トヨタをめぐっては派手な「違法デモンストレーション」とは裏腹に、出遅れた自動運転車の普及阻止を画策しているとの指摘まで浮上している。
「法令違反は完全な確信犯」
自動車業界でいま最も注目を集めているのが、業界勢力図を塗り替える可能性を持つ次世代技術=自動運転車の開発動向だ。開発競争をリードする検索エンジン最大手の米グーグルや米ゼネラル・モーターズ(・・・