「新型うつ病」に騙されるな
企業に巣喰う「不良資産」
2013年11月号
最近、週刊誌や経済誌において、「新型うつ病」という病名がひんぱんに使用され、流行語のようにもなっている。この「病気」は社会的に十分に認知されたものと錯覚しそうであるが、実はまったくの虚像なのだ。新型うつ病と言われている若者たちは、単に生産性が低くて能力がなく、働く意欲が不十分な上に、権利ばかりを主張する日本社会の「不良資産」と呼ぶべき存在だ。新型うつ病なる「詐病」は、根絶しなければならない。
上手にサボる「うつ病セレブ」
うつ病診療を専門にしている精神科医にたずねてみると、このことがはっきりわかる。彼らによれば、「新型うつ病」という病気は医学用語としては存在していないし、実地の臨床で使用することは皆無だという。別の大学病院精神科に勤務する医師も、「そもそも、いわゆる新型うつ病はうつ病でさえないし、定義もはっきりしていない。学問的な検討もされていないもので、このようなマスコミ用語は安易に使用すべきではない」と不快感を露わにして切り捨てた。
けれども、医学界はこの「不適切用語」の流行を放置しているだけで、積極的に取り除こうという姿勢は見られない・・・