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欧州極右政党が危険な「合従連衡」へ

EU結束を妨害する「攪乱要因」に

2013年11月号

 ヨーロッパ各国の極右・民族主義政党が、「欧州統合妨害」に向けて連携に走っている。各党は、ユーロ危機の中で「反欧州連合(EU)」を叫んで支持を伸ばしており、来年五月投票の欧州議会選挙では、二〇~三〇%の得票予測も出始めた。「欧州懐疑派(ユーロスケプティックス)」と総称される政党が、欧州議会の一大勢力になれば、米国議会の共和党のように経済改革の妨害役になるのは間違いない。 経済改革の動きはもっと鈍る  フランスの極右政党「国民戦線」のマリーヌ・ルペン党首が、世界に向かって吠えた。十月半ば、「EUは、ソ連が崩壊したのと同じように、崩壊する」と、ラジオ・フランス・アンテルナショナル(RFI)に語った。共産党独裁国家と西欧資本主義の牙城を同列に論じる、特異な歴史観はさておき、メディアの選択が注目された。 「RFIは各国語放送があり、ヨーロッパの他の反EU政党への呼びかけを狙った。ルペン党首は、国民戦線を『国民政党』として、仏政治の主流に据えたいという悲願があり、他国の有力政党との連携はその一助」と、全国紙在パリ特派員が言う。ルペン党首の狙いは当たり、反EU気・・・