《世界のキーパーソン》マリア・ベルルスコーニ (フィニンベスト社会長)
お騒がせ元首相の「跡目」を継ぐ
2013年10月号
シルビオ元イタリア首相の長女である。今年七十七歳のプレイボーイの父は生涯で二度、それぞれ二十年ずつ結婚していた。最初の妻カルラとの間に生まれたのが、マリア(通称マリーナ)とピエル。二度目の妻ベロニカとの間には、バルバラ、エレオノーラ、ルイジの三子がいる。バルバラは最初の離婚成立前に誕生し、スイスでの出産は当時、極秘にされた。一番上のマリーナ(一九六六年生まれ)と末子ルイジとは二十二歳の違いがある。
マリーナが幼い頃、ハンサムな父親は猛烈な勢いでメディア事業を拡大していった。ミラノの小さなケーブルテレビ会社から始まり、やがてロンバルディアの地方局になった。マリーナが十代の頃が事業の飛躍期で、メディア界の風雲児シルビオは中央政界に強固なコネを作り、イタリアで最初の全国ネット民放を作った。イタリアには当時、全国放送を国営「RAI」に限定するという法律があり、最初の民放創設は政府の決定を要する、歴史的な事件だった。
騒動の最中に、一家にも激震が走った。父親が若い女優ベロニカと浮気をし、女児がいることが分かった。マリーナは傷心の母親と・・・