続・不養生のすすめ34
飽和脂肪酸悪者説 への反証
柴田 博
2013年10月号
あまり程度のよくない食品会社やサプリメントの販売会社のコマーシャルの謳い文句が二つある。即ち、カロリーが低いことと飽和脂肪酸がかぎりなくゼロに近いことである。これは必ずしも日本にかぎったことではない。欧米の健康関連のNPOのホームページで飽和脂肪酸から成る脂肪を悪い脂肪と断定していることもめずらしくない。
そればかりではない。二〇一一年十月、デンマーク政府は、飽和脂肪酸の摂取を減らすことを目的として世界で初めて「脂肪税」を導入した。バター、チーズ、牛乳などの乳類、肉類、食用油などで飽和脂肪酸が二・三%以上ふくまれている食品で、飽和脂肪酸一キログラムあたり十六クローネ(約二百二十円)の税金がかかることになった。
筆者は、本コラムの一一年十一月号で「死亡につながる『脂肪税』」というタイトルでデンマーク政府の政策を痛烈に批判した。ハワイの日系人のデータを示し、飽和脂肪酸が不足すると、総死亡率も脳卒中死亡率も急増すると述べた。ご記憶の方もあるだろう。筆者はこの政策が影響し、日本人が飽和脂肪酸を減らすことにつながれば、もっと悲惨なことに・・・