《企業研究》 セブン&アイHD
加盟店「収奪ビジネス」の悪辣
2013年10月号
「セブン帝国」ともいうべき巨大流通グループ、セブン&アイ・ホールディングス(以下セブン&アイHD)が見せる果てしない拡張への欲望の行く手に、わずかに暗雲がたれこめてきた。
セブン&アイHDは、二〇一三年三~五月期、営業利益、純利益ともに過去最高を叩き出した。だが、弁当などの値下げ妨害をめぐる裁判では、セブン-イレブン・ジャパン(以下セブンないし本部)が東京高等裁判所で敗訴。「コンビニ会計」でも疑惑が浮上し、暴利追及の火の手は、米国でも上がっている。フランチャイズの加盟店主(オーナー)を食い物にして独り本部だけが旨味を独占する悪質なビジネスモデルの綻びがついに見え始めている。
自動的に計上される「借金」
八月三十日、東京高裁(斎藤隆裁判長)は、消費期限が近づいた弁当やおにぎりを値下げ販売(見切り販売)しようとしたところ、セブンから妨害を受けたとして、加盟店主らが起こした裁判で、四人の原告に計約一千百四十万円を支払うようセブン側に命じる判決を言い渡した。
斎藤・・・