みずほがひた隠す「行内不祥事」
異例の役員人事「撤回」の真相
2013年10月号
「平成二十五年二月二十六日の公表において、本件合併後における新みずほ銀行の執行役員として含まれておりました高島豊徳氏は、同年六月三十日付で現任のみずほ銀行執行役員を退任することとなり、本件合併後における新みずほ銀行の執行役員には就任しないことになりましたので、上記の役員体制には記載しておりません……。」
「みずほ銀行(BK)とみずほコーポレート銀行(CB)の合併後における役員体制の一部変更について」と題してみずほフィナンシャルグループ(FG)が開示したニュースリリースにこんな記述が載ったのは「大合同」から遡ることひと月前の五月末のことだった。新たに二人を監査役として迎え入れるのを機に、改めて新BKの役員体制を一覧表として掲載、その「欄外」にさりげなく潜り込ませたのだ。要するに二月二十六日に発表された役員人事が、新BK誕生の直前になって急遽、撤回されたというわけである。
「中堅クラスまでなら稀に内定が覆ったりすることもありますが、対外公表された役員人事がなくなるなんてまさしく異例中の異例です。金融庁など当局による経営監視の目もあり、銀行は役員の身体検査にはことのほか慎重で・・・