NY市場に迫る「デフォルト」暴落
「売り逃げ」時機うかがう投機筋
2013年10月号
「こんな歴史的な高値更新という相場で、しかも大幅暴落のリスクがあるときは難しい。まあジョージ・ソロスのやっているオプションのプット買いが一つの戦術だが、手持ちの売り逃げと短期勝負の一発買いの併行かな」
「新興国通貨と株の両方で短期買いをしている友人もいるが、何と言っても入れ物が小さいのが難点。やはりNY株式市場だな」
こうした相場で十分な収益をあげられてこそプロ―と自信のほどを示す某大手ヘッジファンドの運用担当者らの発言だ。九月十八日の米連邦公開市場委員会(FOMC)の量的緩和縮小見送りでNY株式市場が大幅高を示した直後の高揚感も伝わる。
この中には、「二〇%の暴落が十月中に」と断言する運用担当者もいる。その理由はほかでもない、米国債の「デフォルト危機」の再現だ。
今回は、連邦政府の手持ち資金がほとんどなくなる、いわばXデーは十月十八日。しかも大方の市場関係者は、二〇一一年の騒ぎの再現はあるまい、とタカをくくっている。「だから怖い」と件の人物は語気を強める。
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