霞が関「弱体化」狙う官邸
「安倍栄えて国亡ぶ」公務員改革
2013年10月号
十月召集の臨時国会を前に、参院自民党で、公務員制度に関する閉会中審査を行う案が浮上した。しかも、本来なら内閣委員会(相原久美子委員長=民主)の案件を、新設の「国の統治機構に関する調査会」(武見敬三会長=自民)で扱うという。なぜなら、狙いは、政府が臨時国会に提出予定の国家公務員制度改革関連法案を与党として側面支援するのではなく、牽制することだったからだ。公務員制度改革に前向きな民主党の仕切りより、自民党主導の調査会の方が思惑通りに進むと考えたのだ。
結局、調査会側は「安倍晋三首相が熱心な課題で足を引っ張りかねない」と拒否したが、仕掛け人は「政権に反旗を翻すのではない。公務員をダメにする法案を阻止したいだけだ」とめげていない。
公務員制度改革に対する参院の抵抗勢力の急先鋒は、旧建設省出身の参院自民党幹事長脇雅史、財務省出身の片山さつき、中川雅治らだ。官僚の代弁者と切り捨てることは簡単だが、高い内閣支持率を誇る安倍に刃向かうのは勇気が要る。干されるリスクを覚悟して改革潰しに走るのは、他の改革から見て決して優先度が高いとは思えない公務員制度改革が、かつての同僚や後輩の士気・・・