安倍の次の一手は「派閥殲滅」
政敵排除に専念
2013年10月号
首相安倍晋三の自信は過信になりつつあるかもしれない。
「私は決選投票に強いんです」
最近の安倍は興に乗るとこのフレーズをよく口にする。ちょうど一年前の自民党総裁選で現自民党幹事長の石破茂を決選投票で破り、逆転勝利を収めた安倍。それに続き、二〇二〇年の五輪開催地を決める国際オリンピック委員会(IOC)総会でも決選投票の末に東京五輪招致を手繰り寄せたからだ。それも、自らIOC総会が開かれたアルゼンチンに乗り込んでの勝利だったことも安倍の気分を一層高揚させた。五輪招致レースの勝利に先立って、安倍は衆参両院の国政選挙も圧勝している。安倍に「不敗神話」が生まれる。もともと好悪が激しい性格の安倍に自信が加われば聞く耳を持たなくなるのは予想されたことだった。
政界を引退してやや距離を置いて政治を見つめる青木幹雄は「勢いが付き過ぎていることが心配
だわね」と語る。
人事凍結で長老議員の影響力を削ぐ
その勢いの反映だろう。九月末に想定された党役員人事と内閣改造は安倍の一存であっさり見送られた。自民党内に人事待望論があっても今の安倍に正面から物申す・・・