「五輪組織委員会」会長は誰か
「我こそは」の財界人と官邸の思惑
2013年10月号
二〇二〇年五輪夏季大会の東京開催が決まり、経済界が注目する焦点は大会組織委員会の会長人事に移った。通常、財界トップ級が会長に就くが、今回の五輪招致では長期政権化が確実視される安倍晋三首相の果たした役割も小さくない。首相官邸が人選に介入してくる可能性も高く、「アベノミクスへの貢献度で選ばれる」(財界関係者)との見方が出ている。
「政府としては、七年後の大会が成功裏に開催され、素晴らしい大会になるために、(会長には)それにふさわしい知見を持った人を選んでいただければと思う。政府は組織委員会を側面からしっかり支援し、できる限りのことをしていく」
菅義偉官房長官は九月二十日の記者会見で、会長人事への政府のスタンスについてこう述べた。安倍首相はすでに下村博文文部科学相を五輪担当相に任命しており、政府としても五輪運営に積極的に関与していく考えだ。
自民党内からは早くも「政権運営がこのまま順調なら、二期六年までの総裁任期を延長して安倍首相で五輪を迎えるのもいい」(文教族)などと、少々浮かれ気味の声も漏れているほどだ。
「米倉説」は一刀両断
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