中国「中流層大暴動」に現実味
金融商品の「償還不能」が引き金に
2013年10月号
北京の中心に位置する天安門広場。広場を東西に突き抜けるように走るメーンストリート、長安街を西に一キロも行くと、周囲を圧する巨大ビルが林立する西単地区にさしかかる。中央銀行である中国人民銀行、国有商業銀行の筆頭格、中国工商銀行や世界に支店網を広げる中国銀行、政策金融の要、国家開発銀行などの本店が立ち並ぶ金融街、別名「中国のウォールストリート」だ。
そのエリアでも長安街から一歩、裏道に入ると中堅銀行や保険会社、投資会社の看板が並ぶやや猥雑な場所がある。そんな裏道を歩いていると、セールスマンに声をかけられることがある。「三十日満期で、年利二〇%。お金は置いておくだけではもったいないよ」。まるでバナナや模倣ブランド品のような売り文句で販売しているのは、日本でも頻繁に耳にするようになった「理財商品」だ。ためしに「償還は大丈夫か?」と尋ねると、「元本保証ではないけど、ほぼ大丈夫だ」と妙に自信ありげな声が返ってくる。
今秋に償還不能が続出する可能性
理財商品は銀行やノンバンクが販売する高利の金融商品で、個人や機関投資家から集めた資金を株式、債券、不動・・・