「イスラム聖戦主義者」が急増
「ジハード」の名のもとに
2013年10月号
九月十八日、シリアのアサド大統領は米FOXニュースのインタビューに応じて、「シリアで起きていることは内戦ではない。我々は数万人のジハーディストと戦っているのだ。彼らの大部分はアルカーイダである」と述べた。
シリア政権の流す宣伝と偽情報は、同政権の後ろ盾であるロシアのそれと同様に今日の自由世界では誰もまともに信じようとしないが、このコメントに限って言えば、それは欧米メディアも確認している「具体的事実」に基づいている。例えば米国がテロ組織に指定している「ヌスラ戦線」は、シリア北部での活動が確認されており、この組織は「イラク・イスラム国」(=イラクの聖戦アルカーイダ組織)と連携している。そのために後者が「イラクとレバントのイスラム国」と改名した、と伝えられるほどである。レバントとは、シリアを中心とする東部地中海沿岸地方のことだ。
イスラム教徒の義務であるジハード(聖戦)を戦うとして武器を取り、時に自爆攻撃をも厭わないスンニ派武装集団を最近ではジハーディスト(聖戦主義者)と呼ぶことが多い。オサマ・ビンラディンの登場で世界的に有名になった「アルカーイダ」とほぼ同義に捉えてよ・・・