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社会・文化

《日本のサンクチュアリ》 トクホ(特定保健用食品)の闇

メーカーぼろ儲けの「健康詐欺」商売

2013年10月号


「トクホ(特定保健用食品)」ブームが再来している。一九九一年に始まったトクホ制度は右肩上がりに成長を続け、市場規模は二〇〇七年に約六千八百億円に上った。
 しかしその後、ある「事件」をきっかけに減少に転じていたが、ここにきて追い風が吹いているのだ。
「昨年から始まった『炭酸トクホ戦争』に加え、今春発売のコーヒーが市場に活気を取り戻した」
 大手飲料メーカー関係者はこう語る。しかし、製薬会社で研究に携わった経験もある関東の医学部教授はこう批判する。
「経口摂取して血圧を下げたり、血糖値に影響を与えたり、脂肪を減少させるとすれば、それはもはや医薬品。トクホは巧妙に効果を粉飾しているだけだ」
 効果があるかのようなイメージだけで、ただの食品や飲料がドル箱商品に化ける「トクホ」は、食品メーカーにとって文字通り「美味しい」商売。メーカーと官僚、学者はもちろんメディアまでが結託して詐欺商売を続けている。


「ただのコーヒー」に健康効果

「再発売に向けて総合的な取り組みを・・・