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習政権揺るがす「薄熙来裁判」

重大な路線対立が根底に

2013年9月号

 北京の大学教授、研究者を中心に約三十人で構成される毛沢東思想を研究する勉強会の主要メンバーは八月中旬、「政府の者」と名乗る人物から「海淀区公安局近くのコーヒーショップに来てくれ」と一人ずつ電話で呼び出された。  指定された時間に北京市北西部にあるコーヒーショップの個室に入ると、複数の私服警察官が待機していた。「あなたたちのやろうとしていることをすべて把握している。今月下旬に済南に行くようなことがあれば強制手段を取らざるを得ない」と脅してきた。そのうえで「薄熙来氏の裁判について言論を慎んでほしい」と注意されたという。  この勉強会は中国で数多ある左派系学者グループの一つで、共産主義理念に賛同し、党の機関誌で習近平政権の党指導強化方針を支持する論文を発表したメンバーもいる。二〇一二年春に失脚した同じく左派の薄熙来・元重慶市トップについて同情的な立場を取っており、薄氏が失脚後も、「中国の特色ある社会主義の実現への薄氏の貢献」をテーマに勉強会を開いたこともある。しかし、構成メンバーの全員が学者で、抗議デモなど過激な行動を取る人物はいないという。  勉強会主宰者の一人によれば・・・