朝鮮総連と「裏交渉」する首相官邸
本部ビル問題は「継続使用」で決着へ
2013年9月号
「入札は十月に延びた」
六月に静岡県内で開かれた在日本朝鮮人総聯合会(朝鮮総連)系の商工人会合に、許宗萬議長が出席した。同議長は懸案となっている総連本部ビルについて、その場で一部の有力者にこう明かした。
八月中旬に新聞各社は総連本部ビルの再入札が十月に行われることを一斉に報じた。今春行われた入札が潰れた際、再入札の時期は七~八月ごろとされていた。これがなぜか十月に延びたのだが、最大の疑問はなぜそれを総連議長が知っていたのかだ。公安関係者の一人は説明する。
「北朝鮮と総連、官邸が水面下で蠢いている。どう転んでも本部ビルを総連が使用できるシナリオができているようだ」
冒頭の許議長の発言について、総連側は表向き「議長はその会合に出席したが、会館問題については触れなかった」と説明している。しかし「議長は、存在感を誇示するためにあえて漏れることを承知で話した」(総連関係者)という。総連中央本部職員がこう明かす。
「(議長は本部ビル問題で)道筋を立てなくてはならないプレッシャーを感じている。この問題は議長一人で取り組んでおり、副議長などはほぼ関与していない」
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