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連載

Book Reviewing Globe351

揺るがぬ米軍のアジア重視

2013年8月号

U.S. Force Posture Strategy in the Asia Pacific Region: An Independent Assessment

 オバマ政権のアジアへのピボット(回帰)あるいはリバランス戦略と呼ばれるアジア重視の姿勢は、どこまで米国の兵力態勢と国防予算に裏打ちされるのか。

 アジア諸国が凝視しているのはまさにそこである。

 この報告書は、その点に答えようとしている。執筆陣は、日本でも有名なマイケル・グリーン元NSC(国家安全保障会議)アジア上級部長を中心とする。

 現在の米兵力態勢は北東アジアに集中しており、朝鮮半島の緊急事に備えている。ここでは中国によるA2AD(接近阻止・領域拒否)の脅威に対する抑止力を強化することが大切である。

 しかし、中国が南シナ海と東シナ海での攻勢を強める中、南アジアと東南アジアでの米国の利害とリスクが急速に増大している。
 米国の戦略的リバランシングとは、南アジアと東南アジアでの米軍の前方展開を再構築す・・・