《世界のキーパーソン》 ジェム・オズデミル (ドイツ「同盟90/緑の党」共同代表)
ドイツ政界注目の「トルコ移民二世」
2013年8月号
九月二十二日投票のドイツ総選挙で、結党以来最大の得票をしそうなのが「緑の党」だ。欧州環境政党の先駆は過去二年間、世論調査で一二~一六%の支持を保つ。今年一月のニーダーザクセン州議会選では、前回より五ポイント以上上乗せして一三%を超え、社会民主党(SPD)率いる同州の連立政権に加わった。次の総選挙では、過去最高だった二〇〇九年の一〇・七%をさらに上回る勢いだ。
東日本大震災以後の「脱原発」気運に加え、全国政党として初めて(唯一)、トルコ系を党首に擁することで、ドイツ国内の少数派住民の注目を集める。特に人口の四%、三百万人超のトルコ系にとって、オズデミルは「我らのジェム」であり、誇りである。投票権を持つトルコ系の数十万票は、SPDが七割以上獲得していたが、この動向も変わりそうだ。
自身、「初」を何度も記録した。〇八年に四十二歳で共同党首に選出される前には、トルコ系初の連邦下院議員(一九九四年)に選ばれた。
父親はアナトリア地方から六一年に移住した「ガストアルバイター(移民労働者)」。母親は六四年に移住。ジェムはその翌・・・
東日本大震災以後の「脱原発」気運に加え、全国政党として初めて(唯一)、トルコ系を党首に擁することで、ドイツ国内の少数派住民の注目を集める。特に人口の四%、三百万人超のトルコ系にとって、オズデミルは「我らのジェム」であり、誇りである。投票権を持つトルコ系の数十万票は、SPDが七割以上獲得していたが、この動向も変わりそうだ。
自身、「初」を何度も記録した。〇八年に四十二歳で共同党首に選出される前には、トルコ系初の連邦下院議員(一九九四年)に選ばれた。
父親はアナトリア地方から六一年に移住した「ガストアルバイター(移民労働者)」。母親は六四年に移住。ジェムはその翌・・・