凶悪化する「インド毛派」
テロ活動の背後に中国の影
2013年8月号
「マオイスト(毛派)どもの危険性は増している。外国勢力とも手を組んで国内を揺さぶっている」
インドの陸軍幹部はこう吐き捨てた。インド共産党毛沢東主義派(インド毛派)がここにきて活動を活発化させ、立て続けに事件を起こしたことで国内に不安が広がっている。来春の総選挙に向けてテロ活動を活発化させるとみられており、「最大の危険」(前出陸軍幹部)が迫る。
五月二十五日、インド中部のチャッティスガル州都ライプールから約三百五十キロ南下した地域にある森で、走行中の車列が毛派の襲撃を受けた。車には国民会議派州議会議員が乗っており、待ち伏せていたインド毛派が攻撃を加え、州議や警官、支持者ら二十八人が死亡、約四十七人が負傷した。州議らは今年十二月に控える州議会選挙の応援を終え、事務所に戻る途中だった。攻撃を仕掛けた毛派の人数は数百人ともいわれ、木を横倒しにして車列の移動を封じ、事前に仕掛けてあった地雷を爆発させて逃げようとする人々に銃弾を浴びせた。周到に準備され、統制のとれた攻撃だった。
ネパールから流入する武器
この襲撃事件を受け、シン首相と国民会議派のガ・・・