投機筋が仕込む「日本叩き売り」
「アベノミクス」見限り虎視眈々
2013年8月号
「何しろ東京市場の大幅下げは、いつでも仕掛けられることが分かったからね。問題はいつ、どんなきっかけで仕掛けるか、だけさ」
こう豪語するのは旧知の大手ヘッジファンドの運用担当者だ。
去る五月二十三日の先物四十万枚の大量売りで日経平均は瞬間、先物価格で一万六千円から、わずか数時間で一万四千円台まで急落した。売り材料はベン・バーナンキ米連邦準備制度理事会(FRB)議長による量的緩和第三弾(QE・)での国債買い取り縮小だったのはご存じの通り。東京株式市場の売買高は一日三兆~四兆円。そこに一枚一千五百万円、つまり計六兆円もの大量の先物売りが発生したのだから大幅下落も当然だろう。
その後も安倍晋三首相による六月五日講演での「成長戦略第三弾」が不評で、東京だけでなくNY株式市場も大幅下落に見舞われてしまった。
見かねたジョージ・ソロス氏が「黒田バズーカ」支持に加えて、「再び日本株買いを開始した」と述べたことで、六月十三日に日経平均は一万二千四百四十五円で底入れ、同日、為替レートも一ドル九十三円台で円高は天井となった。その後は株価も円レートも戻しつつあるが、しかし、「場・・・