中国経済「大失速」の影響
世界を襲う「三つの大波
2013年8月号
予想通りの中国経済の大失速が始まった。だが、失速が世界に公然となるきっかけをつくったのは意外にも中国の指導部自身だ。短期金利急騰、輸出の前年比減少、成長率の鈍化など従来なら隠蔽していたはずの問題を習近平国家主席と李克強首相の指導部は世界に明らかにした。それは中国経済が躊躇する余地のない深刻な事態に立ち、危機が今後、本格化した時には世界経済に甚大な影響を与えることを指導部が悟ったからにほかならない。中国が鳴らした警報を日本や世界はどう受け止めるべきなのか。