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経済

《企業研究》東京電力

「解体・法的整理」の公算強まる

2013年8月号

 干天の慈雨となったのか、それとも焼け石に水で終わったのか。七月二十二日、東京電力幹部らは各々複雑な思いを胸に秘めながら「それ」を受け取った。課長級以上の管理職約五千人にこの日、一斉に支給された一律十万円の一時金。

「一人当たりにすればわずかな金額。これで元気になるのかという意見はあろうが、頑張りに報いるというメッセージを職員の心情に送りたかった」。同十九日の会見で廣瀬直己社長は、一時金支給を決めた際の真情をこう吐露したが、無論、単に幹部社員らの士気を鼓舞し、慰労することだけが目的ではない。依願退職者の急増など相次ぐ人材流出に少しでも歯止めをかけるのも狙いだ。

経営中枢で拍車がかかる人材流出


 福島第一原子力発電所の過酷事故で経営危機に陥った東電は二〇一一年度に一般職二〇%、管理職二五%の給与カットに踏み切った。円安に伴う燃料費の膨張などで一段と経営環境が厳しさを増した一二年度には、消費者庁の指摘もあって管理職のカット率をさらに三一%にまで拡大、幹部社員らにより痛みを強いる形で年間一千七百七十・・・