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「米国封じ」で中露が共闘へ

「スノーデン事件」で浮上したこと

2013年8月号特別リポート

 政治、経済、軍事などとは別の目に見えない次元で世界大戦が行われ、米国が大敗北を喫しつつあると考えていい。米国家安全保障局(NSA)の情報監視活動を暴露して訴追された米中央情報局(CIA)の元職員エドワード・スノーデン容疑者(三十歳)を個人の知る権利に応えた英雄と見るのか、それとも、米元副大統領のディック・チェイニー氏が投げつけた、反国家の売国奴なのかとの議論はどうでもいい。他国に絶対に触れられたくない米国の国家機密を満載したラップトップコンピューター四台を持ち、内部告発サイト「ウィキリークス」の関係者に付き添われ、マスメディアや人権団体などのグループと接触を保ちつつ中国からロシアへと飛んでいった「危険」は、国際政治上いかなる意味があるか。それでなくても内憂外患で苦境に陥っている米オバマ政権は国際社会で決定的に不利な立場に立たされているのだ。中露両国は慇懃無礼な態度で「獲物」を賞味しつつあり、アジアや欧州の同盟諸国には何とも表現のしようのない米国への不信感が広がっている。スノーデン容疑者が亡命を希望した中南米諸国は米国批判の大合唱だ。中露両国の関係は複雑だが、「共通の敵」への武力なき対米包囲網構築では立場は一致している。民主党系の有力者からこの「新反米枢軸」に対してオバマ大統領よ立ち上がれとの声が一段と強まってきた。

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