「農水族」議員が滅ぼす日本の漁業
「補助金漬け」で乱獲競争を放置
2013年7月号
六月九日、四大イカ釣り漁港の一つである酒田港(山形県酒田市)で「イカ釣り船団出港式」が開かれた。岸壁に十一隻のイカ釣り船が横付けし、来賓の酒田市副市長や県議会議員らが勢ぞろいする中、主催者の五十嵐安哉・山形県漁業協同組合代表理事組合長が挨拶。大漁を祈願しながら、こう訴えた。
「先月二十九日、東京に全国の漁業者が集結し、急激な円安による原油代高騰の窮状を訴える集会が開催されました。本県からも十六名が参加、会場では緊急対策を求めるビラをお配りしています。皆様方にはぜひとも、漁業が直面している深刻な状況をご理解いただきたい」
会場の一角には、「燃油価格高騰を乗り越え、漁を続けていくための対策が必要」と銘打ったA4判の両面カラーのビラが積んであった。全国漁業協同組合連合会(JF全漁連)が作成し、東京での集会で配布されたのと同じものだった。
「農水省は漁民の味方」
その十一日前の五月二十九日、捩り鉢巻き姿の漁業関係者約二千五百人が日比谷野外音楽堂に大挙して押し寄せた。三人のJF全漁連代表者に続いてステージに立ったのは、自民党の水産政策推進議員協議会・・・