消費増税「先送り」に傾く安倍
カギ握る菅官房長官
2013年7月号
安倍晋三内閣総理大臣が消費税率引き上げの先送りに傾いている。最近、安倍と会った人の多くが共有している感想である。
このところの株価の乱高下や為替動向を見て、安倍は、予定通り二〇一四年四月から税率を八%に引き上げた場合、せっかく上向いた景気が再び落ち込むと思っているようだ。「二年も三年も先送りするわけではない。半年、待つというやり方もある」と付言しているともいう。ただ、短期間の先送りであっても、日本政府の財政再建への決意に市場が疑念を抱けば、国債の暴落、長期金利急上昇という最悪の展開にもなりかねない。
新聞各社が先送りの「応援団」
一四年四月に八%、一五年十月に一〇%に消費税率を引き上げることを定めた法律には、経済情勢を見て時の政権が最終判断するとした「景気条項」がある。安倍は昨年の自民党総裁選の時から税率引き上げへの慎重姿勢を隠さず、総理大臣就任後も、「引き上げは基本方針」としながらも、「二〇一三年秋に決める」と繰り返してきた。先送りは、安倍の経済政策「アベノミクス」の失敗を自ら認めることになるとの批判もあるが、安倍は意に介さない。
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