「水問題」が中国の命取りに
共産党統治を揺るがす重大要因
2013年7月号
「空に吸うべき空気なく、大地に食すべき糧なく、川に飲むべき水なし」。中国では今、こんな言葉が庶民の間で囁かれているという。
大気には、日本でも今春大きな話題になった微小粒子状物質「PM2・5」などの汚染物質が漂い、大地が生み出す食べ物は汚染されたコメや小麦に、病死して長江に投棄された数万頭のブタやインフルエンザにかかった鶏、そして中国人をもあきれさせたネズミ肉を化けさせた偽羊肉など恐くて食べられないものばかりだ。
そしてとどめは五月に発覚したミネラルウォーターの品質虚偽事件。赤を基調にしたパッケージで知られる中国のミネラルウォーターのトップブランド「農夫山泉」の中身がクリーンで安全な水どころか、水道水にも劣るほど雑菌や有害物質が含まれていたことが明らかになった。他の中国ブランドのミネラルウォーターも大半が基準を満たさない汚染ウォーター。水道水は危険なので飲むまいと、懐を痛めてわざわざミネラルウォーターを買っていた中国の庶民には衝撃だった。
上海、北京などに駐在する日本人ビジネスマンは今では日本から輸入された富士や六甲のミネラルウォーターを飲み、日本で生産、包装さ・・・