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瀬戸際の「プーチン体制」

続投も引退もままならず

2013年7月号

「メドベージェフ解任のカウントダウンは始まっている」  在モスクワの米外交筋はこう語る。恐怖支配でロシアに君臨してきたプーチンだが王国を築いてきた大統領の周りから次々と人が消え、切るべき相手はかつての盟友くらいしか残されていない。閣僚や軍も大統領の足元を見透かした行動をとり始めた。治安機関を握るプーチンが権力を掌握していることは確かだが、体制は急速に色褪せている。  プーチン周辺は早くも二〇一八年の大統領選への再出馬を視野に入れ動き始めた。六月十二日には低迷する政権与党「統一ロシア」に代わる新たな政治組織として、「ロシアのための国民戦線」を立ち上げた。しかし看板を掛け替えたところで、大統領の支持率低下に歯止めはかからない。民主的価値を求める中間層は「皇帝」を必要としていないのだ。  さすがロシアというべきか、最近もプーチン再選を望まない割合が過半数を超えたと伝える世論調査機関にも圧力が加えられ、否定的な情報が排除されている。しかし「ソ連流」の情報統制も、ソーシャルメディアには通用せず、むしろさらなる反プーチン気運を煽る結果となっている。 実務家が残っていない・・・