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コネとカネまみれの「国際連合」

潘事務総長体制下で劣化加速

2013年7月号

「ロックフェラーが寄贈した敷地に立つ墓のような建物で、日がな一日無駄な会議をしている」  ある在米ジャーナリストは大半の米国人による国際連合の認識をこう語った。そもそも存在自体を知らない米国民のほうが多いという現実は措くが、『選択』読者であれば国連に対する過度な期待は持っていないだろう。ただ、日本における国連に対する「信仰」はいまだ残っている。  その国連で組織の劣化が止まらない。特に現在の潘基文事務総長体制下で無駄なコネ採用職員が増加して質も低下している。数年前までニューヨークで国連を担当していた全国紙外信部記者はこう語る。 「本部ビルには大量の職員がいるが、本当にあれだけの人数が必要なのかは疑問」  現在国連本部事務局には正規職員が約八千人いる。今年に入り、カタールのテレビ局アルジャジーラや、韓国の新聞が相次いで職員の削減に手を付けたと報じているが、「実際にリストラは検討されているが、具体的なことはなにも決まっていない」(国連筋)という。かつての一九九六年まで務めたガリ事務総長は当時、国連職員の数は半分でも機能すると語っており、「状況は今も変わっていない」(・・・